エキサイトホーンについて
ここでは謎の楽器、エキサイトホーンについて色々とわかったことを書いていきます。
エキサイトホーンの記事が2016年3月20日発売の管楽器専門月刊誌PIPERS第416号(2016年4月号)に掲載されました
はじめにご注意!!
エキサイトホーンと言う名称は全てのサキソフォン形金管楽器の総称では有りません!!
様々な楽器メーカーがサキソフォン形の金管楽器を製作していますが、それぞれ独自の名称を使用しており、現在サキソフォン形金管楽器全てを総じて言う名称は有りません。(ページ下部、「その他のサキソフォン形金管楽器」を参照ください)
エキサイトホーンとは、ジュピターから1990年代に販売されていた、サキソフォン形金管楽器のことを言います。トランペット版とトロンボーン版があります。歴史的なサキソフォン形金管楽器と違い、最初からサキソフォン形の金管楽器として作られたのではなく、ジュピターが販売している既存のトランペットやヴァルブトロンボーンを加工してサキソフォンの形に似せています。
私が各地でエキサイトホーンを演奏したり、ウェブなどに画像を投稿したりしているからか、エキサイトホーン以外のサキソフォン形金管楽器の画像を「エキサイトホーン」と言っているブログやツイッターなどが近頃見うけられます。
たしかに「イオ」「ネオ」「ソヴェリン」「プレスティージュ」等、各楽器メーカー独自の呼び名がありますが、それは言わば「機種名」であって、楽器名はどれも「ユーフォニアム」ですし、形のまるっきり違う、アップライトの楽器と、フロントアクションのカナディアンブラスの楽器もどちらも「ユーフォニアム」です。
(すべての乳酸菌飲料が「ヤクルト」ではないし、すべての鍵盤ハーモニカが「ピアニカ」でもないのと同じことです)
しかし、サキソフォン形金管楽器は突然変異的な楽器ですし、現在の楽器はお遊び的に発生した楽器でも有ります。(歴史的な発生の背景はページ下部「サキソフォン形金管楽器の発生と歴史について」をご覧ください。
チンバッソやワーグナーテューバのように特殊な用途の為に作られ、地位を確立したものでもありません。
これから爆発的にヒットして各地で使用され、どんどん生産されたり新しい機種が生まれるとも思えませんが、もしそういう事態にでもなればなにか良い総称が出来るかも知れませんね。
たとえばSaxobrass「サキ(ク)ソブラス」とか、Saxoshapehorn「サキ(ク)ソシェイプホーン」または
Saxoshapephone「サキ(ク)ソシェイプフォン」なんてのはどうでしょうか?
もういっそ、この中から決めてしまおうか、と言う事で、サキソフォン形金管楽器の総称をフェイスブックで投票してもらった結果、Saxoshapehornとなりました。
読み方は「サキソシェイプホーン」がいいと思います。私に命名権が在る訳ではありませんがこれで浸透すれば良いなと思います。
私が所有するエキサイトホーン
特注で作ってもらったトロンボーン版エキサイトホーン。市販版は3本ピストンですが、4本ピストンにも変更可能。また、市販版はラッカー仕上げ、スモールシャンク仕様だったのを、銀メッキ、ラージシャンクに変更。市販版ではトロンボーンのハードケースを加工していたのに対し、私のは特注ソフトケースでサイドにネック部分や三本ピストン時用の管を入れるポケットも有ります。
2019年3月に神戸市北区で管楽器のオリジナルパーツなどを制作されているシクサージャパンさんにて、ピストンボタントップのシェルをアバロンピュアレッドにリペアしてもらいました。
トランペット版エキサイトホーン
市販されていたトランペット版エキサイトホーンはベルやネック部分を付けかえると普通のトランペットとして使えるよう2本組にになっていました。ネック以下のピストンまでの部分をもう一つの楽器のピストン部分と付けかえると6本ピストンで両手で操作できる、よりサックス感覚で演奏できるものになりました。(但し運指はややこしそう。上から1~6番ピストンとすると、Cの音で1・3、1・6、3・4、4・6、1・4・5、2・3・4と六通りもあるし)また、ベル部分とネック下部の管を繋ぐ部品が付いている物も有りました。
出合いと購入まで
今から十数年程前(1994年か95年位か?)に大阪の心斎橋にある三木楽器のサックス売り場で奇妙な楽器を見かけました。それはマウスピースとピストンが付いた紛れも無い金管楽器でしたが、形はサックスそっくり。その時は気にはなったがそれっきり忘れていました。
時が経ち、色んな楽器の収集を始めると、ふとあの時見たサックス型の金管楽器が気になり、次第に欲しくなってきました。ネットなど等で調べると、その楽器は「エキサイトホーン」と言う名前で、トランペット仕様とバルブトロンボーン仕様の2種類があること、一時期東京スカパラダイスオーケストラで使用されていた事等が分かりました。そして、台湾のジュピター社が製作したことも分かりました。
ジュピターの輸入元は、私が使用しているウィルソンのユーフォニアムの輸入元と同じ、グローバルさんなので、いつもお世話になっているU山氏に「エキサイトホーンが欲しいんですが・・・」と聞いて見ました。帰ってきた答えは「作れるとは思うけど、注文が集まらないとコストがかかるので作ってくれないと思う」との事でした。その時はそれで諦めましたが、今年(2011年)のユーフォキャンプの飲み会で、グローバルのS藤氏と飲んでる時にその話なり、私がどうしても欲しいと言う熱意を伝えたところ、それじゃあ作ってみましょうか、と言う事になりました。
さて、作ってもらうに当たり、どうしても改良して欲しかった事は、4番ピストンを付けると言う事でした。
元々のエキサイトホーンは3本ピストンで、ユーフォで言うところの4番ピストン、トロンボーンで言うところのF管が付いていません。もちろんそれでも演奏できますが、やはり実際に色んなシーンで使おうと思っているので、なんとか4本ピストン仕様にしてほしい、とお願いしました。
当初は、元々3本ピストンで設計されているので、そこにあと一つピストンを付けるのは難しい、と言われました。しかし、それは右手の小指で4番ピストンを押さえる並列4本ピストンにする、と言う事。ふと思ったのは、私の持ってるバルブトロンボーン(所有楽器ページ下参照)でした。普通のバルブトロンボーンには、F菅は付いていないものですが私の持ってるバルブトロンボーンはF管がついているので、左手操作のユーフォと同じように使えます。それならば、4番ピストンは左手で操作するように出来ないか?と聞いて見たところ、それなら出来そうだ、との事でした。
実際に製作することになり、どんなものが出来あがるのか(昔見た記憶は曖昧なので)見てみたく、ネットで画像を探して見たところ、トランペット版の画像は色々見つかりましたが、トロンボーン版はぜんぜん見つかりません。色々調べると、1995年発行のJazzLife別冊「JAZZHORN管楽器スーパーブック」の中で紹介されているとの情報を得、ヤフオクでその本を落札してようやく見ることができました。
1995年発行のJazzLife別冊「JAZZHORN管楽器スーパーブック」の中で「世界に挑戦する台湾パワー、ジュピターのトランペットとサックスの工場を見る」と言うページで紹介されていたエキサイトホーンの写真。この本のカタログでは、トランペット版がTR77Lで125,000円、トロンボーン版がVL33L155,000円となってました。
製作依頼して半年、グローバルの拝藤氏のハンドメイドでようやく出来あがりました。
※エキサイトホーンを制作していただいた、株式会社グローバルの拝藤氏がご退職されましたので、現在ではエキサイトホーンの制作は不可能とのことです。 欲しい方はオークションなどに出品されるのを待ちましょう。
エキサイトホーンの呼称について
エキサイトホーンの事をネット検索や画像検索すると、時折「エキサイティングホーン」と表記されている事があります。(加藤氏の
楽器もヤフオクにエキサイティングホーンで出品されておリ、エキサイトホーンでアラートを設定していた私には引っかからず、
気付きませんでした)なぜ、「エキサイトホーン」と「エキサイティングホーン」の2種類の表記が生まれたのでしょうか?
その謎の答えとして私が行き着いたのが、上の記事でも書いている1995年発行のJazzLife別冊「JAZZHORN管楽器スーパー
ブック」の中にエキサイトホーン関連の記載が何箇所か有り、そのうちの工場リポート第2段、「世界に挑戦する台湾パワー、
ジュピターのトランペットとサックスの工場を見る」と言うページでトロンボーン版エキサイトホーンが写真付きで紹介されており、
そこでは記事も写真の解説も「エキサイト・ホーン」となっているのですが、その本の中にジャズホーンカタログと言って、ジャズに
使用される楽器(サキソフォン、トランペット、フリューゲルホーン、コルネット、トロンボーン、フルート、クラリネット)とマウスピース・
リードのカタログが付属しておリ、各メーカーの品番や値段も載っています。トロンボーンのページのジュピターの項でも、テナー、
テナーバス、ヴァルブトロンボーン、エキサイトホーンと記載されています。しかし、トランペットのページのジュピターの項では、
普通のトランペット、スライドトランペットの次にエキサイティングホーンと記載されているのです。これが、トランペット版とヴァルブ
トロンボーン版を区別する為にわざわざ違う表記にしたのか、ただの間違いなのかは分かりませんが、ここから二通りの表記が
混同する始まりになったものと思われます。
また、エキサイティングホーンとして写真付きで紹介しているウェブページもいくつかあり、そこから広まったものと思われますが、
紹介されてるのはトランペット版ばかりです。
(但し、私の楽器の保証書には「エキサイトホーン」と記載されているし、紙面の記事や写真の注釈も「エキサイトホーン」と書かれて
いるのでヴァルブトロンボーン版はエキサイトホーンで間違い無いと思います。)
1995年発行JazzLife別冊「JAZZHORN管楽器スーパーブック」内のカタログより
トランペット版にはエキサイティングホーンと記載
トロンボーン版にはエキサイトホーンと記載
工場見学の記事には、どこにもエキサイティングホーンの記載はありません。
エキサイティングホーンとして紹介しているページ
兵庫県西宮市のアマチュアビッグバンド、ウエストウインズジャズ オーケストラのトランペット奏者、粟根達也氏が所有する変り種
トランペットを紹介しているページ
遠藤剛将氏の遠藤管楽器店ブログ
おやぢライダーさんの投稿
市販版エキサイトホーン
エキサイトホーンをネットで色々と検索していた時に、大分県で活動しているアマチュアトロンボーンアンサンブル「Familiar Trombone Ensemble(ふぁみとろ)」さんのブログで、大分県ユーフォニアム・テューバ協会の加藤さんと言う方と共演された時にエキサイトホーンを演奏されたと言う記事を見つけ、早速書きこみをしたところ、連絡を取って頂け、フェイスブックを通じて加藤さんと友達になることが出来ました。色々情報をやり取りし、加藤さんがヤフオクで購入された「市販版」エキサイトホーンの画像なども頂きました。
当時はハードケース付きだったんですね~。外観はトロンボーンのケースそのままなんで中にまさかエキサイトホーンが入ってる
とは思いませんね。曲がったベルを収納出きるように中の凹みも加工されてます。スライド収納部にはピストンパーツを収納でき
ます。
ネック部分には、私の楽器にはついてないウォーターキイがついてます。ケースにもネック部分を収納するスペースが。この楽器は1996年3月4日に銀座山野楽器で購入されたようです。保証書には楽器名は書いていませんね・・・
加藤英之さん
いつか一緒に吹き比べてみたいな~
他にもエキサイトホーンをお持ちの方いらっしゃいましたらご連絡下さい!
左からデビュー(2011/11/13)の時。この時は低い音が出てこなかったので3本ピストンで演奏しました。次のサンタさん(2011/12/28)はクリスマスチャリティーの時。デビューの時にバリトンサックスと並べて見ました。私の保証書にはちゃんとエキサ
イトホーンと記載されてます。
エキサイトホーン演奏記録
2011年11月13日(日) 垂水区総合文化祭「響けハーモニー」 バンド伴奏ソロ レバンテホール
パヴァーヌ/M・ラヴェル/真島俊夫
2011年12月23日(金) 垂水区音楽協会主催クリスマスチャリティーコンサート CD伴奏 垂水区役所ロビー
我が愛はここに/G・ガーシュイン アヴェ・マリア・メドレー
2012年3月23日(金) 垂水区音楽協会20周年記念コンサート バンド伴奏ソロ 神戸文化中ホール
追憶のテーマ/B・ストライザンド
2012年6月2日(土) ユーフォニアムグループGrow第10回定期演奏会アンサンブル 阿倍野区民センター小ホール
アンコール「聖者の行進」内でのアドリブソロ
2012年7月21日(土) 舞子公園旧武藤邸サロンコンサート 電子ピアノ伴奏ソロ 旧武藤邸
サマータイム/G・ガーシュイン
2012年10月17日(水) 人と緑にやさしい街づくり記念事業祝賀会 FALアンサンブル 京都ロイヤルパレス&スパ「ロイヤルホール」
オーシャンゼリゼ 明日に架ける橋 慕情 ラストダンスは私に イエスタディ いそしぎ 波路はるかに 好きにならずに
いられない
2012年11月9日(金) 垂水区総合文化祭「フェニックスコンサート」 ラーロカルテット バンテホール
木星のファンタジー/G・ホルスト/伊藤康英/南川弥生
2012年11月24日(土) 垂水シンフォニックウィンズ・オータムコンサート バンド伴奏ソロ 神戸市立人材支援センター講堂
追憶のテーマ/B・ストライザンド
2012年12月28日(金) ウィンドアンサンブル奏特別公演吹奏楽大忘年会Vol.Ⅱ紅白隠し芸大会 バンド伴奏ソロ ローズ文化ホール
パヴァーヌ/M・ラヴェル/真島俊夫
2013年4月8日(月) 神戸佛教連合会主催 花祭り ラーロカルテット 神戸文化大ホール
木星のファンタジー/G・ホルスト/伊藤康英/南川弥生
2013年12月7日(土) 京都河原町商店街クリスマスイルミネーション点灯式 FALアンサンブル 京都ロイヤルパレス&スパ前
オーシャンゼリゼ 好きにならずにいられない ジングルベル ラストダンスは私と アンチェンドメロディー
ママがサンタにキスをした きよしこの夜 心の愛 聖者の行進 ホワイトクリスマス
2013年12月23日(月) 垂水区音楽協会主催クリスマスチャリティーコンサート CD伴奏 垂水区役所ロビー
クリスマスメドレー(きよしこの夜~ジングルベル)
2013年12月23日(月) 垂水ロータリークラブ12月例会オルケスタ・ピコラ 舞子ビラ六甲の間
「聖者の行進」内でのアドリブソロ
2014年3月13日(木) ユーフォニアムグループ「GROW」第11回定期演奏会 阿倍野区民センター小ホール
アンコール「Doki・Doki」内のソロ
2014年12月6日(土) 京都河原町商店街クリスマスイルミネーション点灯式 FALアンサンブル 京都ロイヤルパレス&スパ前
ラストダンスは私と LetioGoありのままで カノン 聖者の行進 ハッピークリスマス(戦争は終わった)
きよしこの夜 心の愛 オーシャンゼリゼ ジングルベル ママがサンタにキスをした ホワイトクリスマス
2014年12月23日(火) 垂水区音楽協会主催クリスマスチャリティーコンサート CD伴奏 垂水区役所ロビー
サンタが町にやってきた
2016年6月26日(日) アートベンチャー事業 2015年入選企画坂岡裕志ユーフォニアムリサイタル
ユーフォニアムの魅力Ⅹ ~音の博物館~ 舞子ビラ・あじさいホール
木星のファンタジー/G・ホルスト/伊藤康英
2021年11月17日(水) 坂岡裕志デビュー30周年記念リサイタル
ユーフォニアムの魅力ⅩⅣ ~音の展覧会~ 西宮市フレンテホール
古城(展覧会の絵より)/M.P.ムソルグスキー作曲/石田忠昭
2021年12月28日(水) 垂水区音楽協会主催クリスマスチャリティーコンサート 垂水勤労市民センター 一階ロビー
クリスマス・メドレー(きよしこの夜~ジングルベル)/ (CD伴奏)
2011年11月13日(日) 垂水区総合文化祭「響けハーモニー」 2012年3月23日(金) 垂水区音楽協会20周年記念コンサート
エキサイトホーン関連投稿等
2012年7月31日 三木楽器 管楽器専門店 Wind Forest & Low brass centerのフェイスブック投稿
2015年12月8日 三木楽器 管楽器専門店 Wind Forest & Low brass centerのフェイスブック投稿
その他のサキソフォン形金管楽器(Saxoshapehorn)
エキサイトホーンの画像を検索している時に見つけた海外のサイトで、ダブルベルや色んな大きさのサキソフォン形の金管楽器の歴史や各国の色々なサキソシェイプホーンの画像などが載っているページThe Jazzophne
私の所有楽器のページにエキサイトホーンの画像を載せるまでは無かった記載が、最近見たときには出来ており、「台湾のジュピター製でトランペットのTR77Lと、特注でF管ヴァルブをつけたトロンボーンのVL33Lがある」と僕の楽器の画像2枚が載っています。
サキソフォン形金管楽器の発生と歴史について
上のJazzophneのサイトに説明が載っていますが、今から100年ほど昔の1920年代のアメリカでは、第1時世界大戦後の経済発展が物凄く、その時期ジャズのスタイルがニューオーリンズスタイルからシカゴスタイルを経てスィングに至る様式が成立して行く中で急速な発展を遂げた楽器がサックスであり、空前のジャズブームの影響でアメリカのサックスの生産は1924年にピークを迎え、7年間で50万本ものサックスが売られたそうです。そしてそのジャズブームはヨーロッパにも波及し、サックスが品薄になると、サックスより作りやすく、調整や修理も簡単なトランペットやヴァルブトロンボーンをサックス形にしてしまった訳です。しかし、ナチス・ドイツのヒットラーがジャズを退廃音楽として排斥していた事や、品薄だったサックスの生産が安定してきた事などでサックス形金管楽器はやがて廃れていきました。
サックス形でベルが二つ有り、一方はノーマル、もう一方はワウワウミュートがついているもの(殆どトランペット)をジャゾフォーン(Jazzophne)と言い、通常の3本のピストンで音程を変え、反対を向いているピストン(左手親指で操作)でベルチェンジします。そして左手人差し指はワウワウミュートの蓋(サックスのキイみたいになってて通常開いている)を操作します。
サックス形でベルが一つの物をノーマフォン(Normaphone)と言うようです。Normaphoneはドイツ管楽器の都マルクノイキルヒェン(Markneukirchen)のリチャード・オスカー・ヒーバー(1872-1938)によって発明されました。そしてノーマフォンにはソプラノ(inB♭)アルト(inEs)テナー(inB)等4つのサイズががありましたが、殆どはテナーでした。ノーマフォンにはピストンだけでなくロータリーヴァルブのものも有りました。また、ソプラノにはエコー効果ヴァルブを備えたジャゾフォーンに似たものも有りました。
海外のサイトで見つけたサキソフォン形金管楽器(サキソシェイプホーン)の画像の一例
ダブルベルのジャゾフォーン
ノーマフォンのテナー(inB♭)
キングのマーチングテューバを改造して作られたサキソフォン形金管楽器(サイトではJazzophneと表記)
(左)アメリカ・オハイオ州のJ.c.シャーマンによって作られたテナー・ノーマフォン。マウスピースはEuph・Tb用のスモールシャンクを使用。ベル部分はバスクラリネットの部品を使用。ネック部でのチューニングの他、演奏しながら左手で音程補正のできるスライドがあります。
(右)同じくJ.c.シャーマンが2008年に製作のトランペット版ノーマフォン。ゲッツェンのトランペットをもとにベルはアルトクラリネットの部品を使用。
日本のサイトで見つけたサキソフォン形金管楽器の画像
(左)30年ほど昔のバンドピープル誌に紹介されていた記事で、名前は「サクソフォーントランペット」(そのマンマやんかい!)だとか。B♭トランペットと同じ管の長さでマーチングで有名なダイナスティ製だそうです。
(中・右)静岡のホルン再生修理工房「マイスターヴェルク」所長の本田さんが製作された楽器。マウスピースはトランペットサイズで台座には「リピット」と書かれています
(左)どこかのリペア学院の生徒の作品だそうです。
(中・右)神奈川県の木村さん所有の謎のサキソフォン形金管楽器。エキサイトホーンはヴァルブトロンボーンをもとに作られていますが、この楽器はHawkes& Sonの4本ピストンB♭ユーフォニアムの本体に Boosey & Coのベルを繋いで作られています。木村氏はブログに「Saxohorn」と記載されていますが、元がユーフォなので「サクソニュウム」と言う名前でもいいかも、とも仰っています。
番外編
長野市にお住まいの小林昭男さんは長年木工所を経営し、その経験と技術を生かして趣味の楽器作りをされています。
ギター、ウクレレなど弦楽器の他、アルプホルンやトロンボーン、ナチュラルホルンなど20作品以上製作されています。
写真の楽器は新作のサックス形ラッパ。木で出来ているので「木ん管楽器」だそうです。
管楽器専門誌「ブラストライブ」27号(2013年4月30日発行)にJazzophneの記事が載っています
関連動画
上の記事のスコット・ロビンソン氏がJazzophneを演奏する動画はこちら
1957年にビリー・エクスタインがナット・キングと一緒のショーでテナーNormaphoneを演奏している動画はこちら
2012年3月、垂水区音楽協会20周年記念演奏会で坂岡裕志がエキサイトホーンを演奏する動画はこちら
キングのマーチングテューバ1141を改造して製作されたコントラバスJazzophneを演奏している動画はこちら
兵庫県西宮市のアマチュアビッグバンド、ウエストウインズジャズ オーケストラの第19回定期コンサートでトランペットの粟根達也氏がトランペット版エキサイトホーンを演奏している動画はこちら
J.C.シャーマンがトランペット版(ソプラノ)ノーマフォンを演奏する動画はこちら。
J.C.シャーマンがテナー・ノーマフォンを演奏する動画はこちら